新規事業開発 -ECデパートメントのブランディング-
ブランディング&デザイン ケーススタディ

ストライプデパートメントは、地方の百貨店が閉店や縮小していくなかで、地方在住かつ百貨店で買い物をしていた顧客層は、あたらしいモノやブランドとの出会いがなくなっているという声に対し、ファッションの地域格差を解決するために新設された事業および会社です。

 

アパレル企業「ストライプインターンナショナル」と通信企業「ソフトバンク」が出資した新設の合弁会社であり、社員の方々のさまざまなジャンルの会社から転職されてきたかたも多く、この事業でやるべきこと、実際に行うサービス内容はわかっているものの、経歴や畑違いの社員にとって、共通言語がなく、一つの事柄に対しても受け取り方がちがうという問題もあり、社員全員が同じ方向をむけるような、コンセプトや企業理念が必要でした。

 

アパレルやリアル百貨店を経て入社されてきた方は、品揃えやブランドクオリティからのお客様像をイメージし、ECプラットフォームを経て入社される方は、サービス内容やEC内の導線から利用イメージしており、まずお客様像と利用イメージをすり合わせることが必要と考えました。

 

まず百貨店業界とEC業界、それぞれのSWOT分析を行い、業界の特色や違いを洗い出し、その上で、現代の消費トレンドや、時代特性から顧客層をイメージしました。

そもそも地方百貨店の課題解決のために立ち上げた会社ということで、まずは地方百貨店のユーザー層である30代後半以降の女性に絞って分析し、そこから現代の女性の多面性に注目しました。

 

かつて、娘からOLからなり、妻から母となった画一的な女性の一面は現代にはなく、ワーカーであり、妻であり、母である。ライフスタイルの多面化により、社会的な見え方や自分自身が求めるものも選択が増えている、そして、日常のシーンもさまざまな多様なシーンがあり、そこに対する必要なファッションが求められていました。

多面的な自分に合わせて切り替えられる、切り替えられるから自分に馴染む

多面的な現代の女性に対しては、ECデパートを訪れるタイミングも、画一的ではない。忙しい時と時間に余裕がある時では、求められるサイトも変わります。それゆえに、機能やサービス面にも切り替えが必要になります。

 

その切り替えから、「/」=スラッシュ というキーワードを設定しました。「or」という意味を持ち、ドイツ語では「and」のニュアンスも含むと言われています。

 

すべての大人の女性は、さまざまな異なる要素で、できており、大人の女性の人生も、多面的で立体的だからこそ、豊かになります。

例えば「自分 / 妻 / 母 / 編集者 / ボランティア / インスタグラマー」。

一人の女性にこれだけの側面があるのです。

多面的な自分を楽しむことは、立体的な人生になる。もっと多面的な私になるための、適切な選択肢を提供するECデパートメントになろう、という意味スラッシュに込めました。

 

ストライプデパートメントという名称は、すでに決まっていたのですが、 多面的な自分を表す「/」が幾つもあることで「////  」 ストライプを形成できました。

STRIPE DEPARTMENT: Basic Design Manual

SYMBOL 「 / 」

 

私たちのシンボルは「/ : スラッシュ」です。
それは、選択肢を増やす象徴です。

 

ストライプデパートメント、『ストデパ』のアイコンである「/ : スラッシュ」。それは「または」「or」という意味を持ち、ことなる性質のものや選択肢があることを表現する記号です。
ドイツ語では、「そして」「and」のニュアンスも含むと言われています。

 

すべての大人の女性はさまざまな異なる要素で、できています。
そして大人の女性の人生も、多面的で立体的だからこそ、豊かになります。
例えば「私 / 編集者 / ランナー」「自分 / 介護士 / インスタグラマー」。

 

多角的な自分を楽しむために。立体的な人生を味わうために。
大人の女性たちに「今の私に違う(=よりよい)価値を提案してくれて、もっと多面的な私になるための、さまざまな選択肢を提供してくれる」ECデパートメントとして、自らの見え方や価値も、多面的で立体的を実現したい。

多面的なお客様がこのサービスを通して、より立体的な生活を送れるようなイメージを表現するべく、コンセプトを設定しました。

STRIPE DEPARTMENT: Basic Design Manual
CONCEPT

 

自分って、多面的。
人生って、立体的。

 

ECデパートメントとして、百貨店でお買い物を楽しむように。
私たちは、お客様お一人お一人に合わせた接客サービスを実現します。

 

自分って、多面的だから。
人生って、立体的だから。

同時にインナーブランディングとしてあらためて会社としてのVISON(実現すべき世界)とMISSION(果たすべき使命)を設定しました。
異なる業界からの転職者が多い会社だったので、社員が同じ方向を向けるように、この会社を通して、どういう社会にしたいか、お客様の生活をどう変えたいか整理しました。

STRIPE DEPARTMENT: Basic Design Manual
VISION & MISSION

 

VISION : 表現すべき世界
いつでもどこでも、ポケットに百貨店を。
私たちは、クオリティの高いサービスとホスピタリティで、いつでもどこでもポケットに百貨店を持っている感覚を目指します。そこからファッションの地域格差をなくし、誰もがお買い物を自由に楽しめる豊かな世界を実現します。

 

MISSION : 果たすべき使命
ECを、より多面的に立体的に。
私たちは、テクノロジーの力で、より多面的で立体的な提案を行い、ECにさまざまな選択肢を増やすことで、よりパーソナルなお買い物を実現します。

コンセプト、ヴィジョン、ミッションは主に社内、社員にむけてでしたので、ここからお客様に対して、会社や事業の表現を検討しました。

 

会社や事業をひとことでわかりやすく表現するために、「上質を知る大人たちのための、ECデパートメント」というステートメントを設定し、親しみを持って、自分のお店と思って利用していただけるように、「ストデパ」という略称をうちだしました。

STRIPE DEPARTMENT: Basic Design Manual
STATEMENT

 

上質を知る大人たちのための、ECデパートメント。

 

ストライプデパートメント、『ストデパ』。

そこから、お客様に向けてブランドの価値と世界観を表すタグラインも設定しました。

STRIPE DEPARTMENT: Basic Design Manual
TAG LINE

 

大人 / あした / 自由

 

ストライプデパートメント、『ストデパ』のタグラインです。

 

お客さまである、上質を知る大人たちと一緒に。軽やかに、明日に向かう気持ちを込めて。お買物のスタイルを、もっと自由にしていく意志を。

 

そんな考え方を表現すると同時に、シンボルである「 / 」を使い、ストライプデパートメント、『ストデパ』も、より多面的に、より立体的に、事業を展開していくことを伝えます。

大人/あした/自由

キーワードであるスラッシュを使用し、上質を知る大人のお客様が、多面的で立体的な未来=あしたに向かう気持ちを込めて、自由な使い心地のECデパートで自由なスタイルを確立していく意思を表現しました。

お客様への訴求として、ステートメントとタグラインを設定しましたが、お客様にとって一番視覚的にみえるのはロゴマークです。実はご依頼いただいた時には、ストライプデパートメントという名称とロゴマークは決まっていました。しかしプロジェクトメンバーから、スラッシュというアイコンができたので、それを表現するロゴマークに変更したいと、社長に掛け合ってくださった方がいました。無事変更の許可がおり、スラッシュを表現したロゴマークを考えました。

ECなので、スマホで見る方、PCで見る方など、多様なデバイスに対応できるロゴが必要なので、1段組から3段組までのロゴマークを作成しました。

また、オープンの記者会見で流すコンセプトムービーを作成。
尺が60秒と決まっていたので、限られた時間の中で、コンセプトの表現と、サービスの特徴である「Personal Styling(パーソナルスタイリング)」、試着サービスを表現しました。

STRIPE DEPARTMENT – CONCEPT MOVIE –